こんにちは、shunsukeです。
影絵が美しく描かれた皇居外苑の石垣についてご紹介します。
皇居外苑について
皇居外苑とは

一般社団法人国民公園協会管轄の皇居外苑。
皇居前広場と1969年(昭和44年)に開園した北の丸公園、それに皇居の周りの内濠に沿って緑地も含まれる。都市計画法第11条(都市施設)に基づく名称は、北の丸公園、日比谷公園と合わせて「東京都市計画公園第5・8・23号中央公園」である。広大な広場のほかに、桜田門や二重橋といった東京を代表する歴史的にも貴重な建築物を見ることができます。
入園料無料で広く開放されており開苑・閉苑の概念自体ない施設です。
アクセスマップ
影が美しく描かれた皇居外苑の石垣について
石垣に描かれる松の影絵

昼間に久々に見たくっきりとした影絵。
こちらの石垣は、石同士がピッタリあうよう目地無しで接合面が加工され「切込接(きりこみはぎ)」で横の目地(継ぎ目)を通す「布積」で積まれています。そこに反り出した松の枝と葉が影絵となってくっきりと描かれています。ここまでくっきりとした影絵が出来るのも、1日のうち日の光が当たる決められた時間のみ。たまたま通りかかった時間帯が良く僕の大好物の影絵が見れました。


石の表情に関しては、加工してあることからあまり個性的でなく、平らな印象です。対して、松の幹肌の表情は自然なゴツっとした印象でとても素敵です。

右側の石垣は、左側と違い、様々な形をした石が積まれた「打込接(うちこみはぎ)」で横の目地(継ぎ目)を通す「布積」で積まれています。空いた隙間には小さな石を埋め込んでいます。自然石は形が様々な上に風化で角が丸まっていることが多いため、石同士の感覚が広めになってきています。月日の経過から石の表情もそれぞれ変わっていく姿がまた溜まりません。
また写真を見て頂くと、石垣の隅角で長方形の石材が交互に重ね合わさった部分の技法を算木積(さんぎづみ)というそうで、石垣の隅角を境に左右で違った表情の石垣。1度に2度楽しめる石垣です。周辺で他にも石垣を撮影しましたので、次回はそちらの紹介と石垣の積み方を合わせてご紹介します。
反り出た松と石垣に描かれた影絵が連なっているように見え、壮大さや生命力を連想させます。
黒松と芝広場に広がる影絵(皇居外苑)


クロマツ林
皇居前広場には、数千本のクロマツが、東京湾に浮かぶ小島に見立てた島々に植えられています。皇居の深い森と対照的に、開放的かつ荘厳な雰囲気の国民公園皇居外苑の景観となっています。皇居正門と坂下門との間には植樹帯があり「御親臨台」と呼ばれています。
芝広場に広がる影絵
数千本のクロマツの床には違った影絵ができ、どれも個性豊か。
影絵を見ながら散歩するのも面白いです。皆さんはあまり影を注視して見ることは少ないかもしれませんが、一度違った視点で散歩がてら見るのも面白いのでぜひ体験してみてください。
新しくブログで書いた、様々な技法が用いられている江戸城跡と和田倉門跡の石垣の記事も、石垣好きの方ならとても面白いのでぜひそちらもご覧ください。
モルタル造形について
モルタル造形とは

モルタル造形専用のモルタルを塗り付け、削り、着色をしていく技法。
石や岩の表情も自由自在に表現できる優れた技法です。下記に実際にどのようにモルタル造形が出来上がっていくのか、ブログリンクを貼っておきます。
また去年よりスタートした「モルタル造形体験型講習会」の詳細なども掲載しております。
ぜひご覧くださいませ。
ライトアップについて
影絵のライトアップ

こちらは僕が実際に光の当て方などを考え、照明器具を設置しています。これもアンコールワットで見たシルエットが頭の片隅にあったからこそ出来たライトアップかと思っています。
これまで色々なライトアップを見てきましたが、僕が知る限りここまでシルエット・影を意識したライトアップをやっているのは僕だけかなと。それくらい拘りをもってやっています。
下記にライトアップのブログリンクを貼っておきます。まだ見てない方も、何度か見られた方もまた違った視点で見れますのでぜひご覧ください。
さいごに

いかがでしたでしょうか。
影絵が美しく描かれた皇居外苑の石垣をご紹介しました。
次回は周辺の石垣とその石垣の積み方についてご紹介します。ぜひお楽しみください。
これからもこのブログでたくさんの場所をご紹介していきます。
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