こんにちは、shunsukeです。
今日は、新緑ライトアップ実施に向けてのモックアップについてご紹介します。
場所は、東京都杉並区荻窪にある「大田黒公園」です。
ここは毎年紅葉時にライトアップをデザインから施工まで監修しています。以前より話をしていた新緑のライトアップを検討頂き、実際にモックアップをしてきました。
まだ実施するかどうかは決まっているわけではありませんが、前向きに動いて頂けるようです。
実際この時期はサクラのライトアップがメインで、カエデの新緑ライトアップをしているところは少ないのが現状ですが、新緑は言葉の通り、新しい葉のことで、一年で一番透き通ったきれいな葉をしています。
ライトアップ自体の破壊力はサクラや紅葉時には劣るかもしれませんが、どこか落ち着いた印象を与えることが出来るのでとてもオススメかなと感じます。
それでは下記より実際にモックアップした写真をお見せしながらご紹介していきます。
東屋のシルエットとカエデのライトアップ

今回初めて東屋を光無しで見てみましたが、これは良い!
カエデの輝度はやや高いですが、その光が漏れて東屋の屋根内側に当たる。そして何より暗闇に写る東屋のシルエットが良さを引き立たせています。
いつも思いますが、夜は夜の良さがあり、何が何でも光を当てなくても良いと感じます。
ここまで影を活かして考えたライトアップは他では見れないかなと。。
僕だけです!と、思っています(笑)
なんてったって、影を演出しようと思うと手間と時間が掛かるのでやりたがる人いないから。。
照明器具の選別から、どの角度でどの位置から当てるとか、いろいろと考えることが多いからです。ホント手間なんです(笑)
でもそのひと手間が他では見れないものを演出します。
そこは自信をもってお届けしています。
ぜひ他と比較して見てください。
水面に映り込む植物たち

モックアップということでグレア(灯体の眩しさ)をカットはしていません。
眩しさはご了承くださいm(__)m
紅葉時と違い、新緑は葉っぱの厚みが薄いことから光がより透き通って見えます。カエデのライトアップは紅葉がメインとされていますが、僕はこの新緑のライトアップが一番好きです。ちなみに赤くなっているのはノムラモミジですね。
ノムラモミジも秋より春の方がきれいだなと感じました。
紅葉時に皆さんのお声を聞いていると、赤く染まったカエデが好きなんだなと。
緑が多いと「早く来ちゃった。。」とガッカリされて帰られますが、どうして?って思っています。
自然の四季は僕らでは操作出来ません。操作できないからこそ面白いですよね。
赤く染まってなくてもいいじゃないかなと。
その時のタイミングでその状態を見ていかに楽しむのかが大事だと思います。
赤く染まった紅葉だけでなく、いろんな色でグラデーションされたライトアップも楽しみましょう。皆さんも違った視点をもち、その時を楽しむ気持ちを持つとまた違ったモノが見えてきます。
カエデの幹のシルエット


照明器具の数も少ないので余計な光がありません。幹と枝がシルエットとなっています。全体的に光が当たっているライトアップと違い、メリハリと奥行き感が増し、木の本来の良さが引き立ちます。
僕個人的な意見としては、メリハリと奥行き感がないライトアップはすぐ飽きて、凄く疲れます。あくまでも個人的な意見です。
水面に映り込む植栽たちその2


モックアップですので、グレアは気にしないで設置しています。
いつも行ってる紅葉のライトアップの時は水中に照明を仕込みますが、今回は岩の上に照明を置いています。
水中に照明が無いことで映り込みが自然できれいなのが分かります。今後、水中に仕込まなくても良い方法を模索したいなと思います。
僕も技術的にまだまだ道半ば。更に良く出来るよう精進しなきゃなと思います。
新緑が美しいカエデの葉

この感じが僕のやりたい照明かなと思います。
ただ真下から正面で照明を当てるのではなく、少しズラした位置から当てることで、光が当たるところと当たらないところができ、木の本来の躍動感が出ます。
生き物に照明を当てる場合は、この躍動感がとても大事であると思っています。
こういう躍動感を出したモノと、しっぽりとさせたモノ、影を活かしたモノとそれぞれの良さをバランス良く魅せることを心掛けたいなと思います。
カエデと松のコラボレーション

右側のカエデは外側から当てることで片側が光を受け、もう片方がシルエットとなります。それにより木の躍動感が出ます。建物は風に揺られることはありませんが、木は風によって枝や葉っぱが揺れて動きます。それらすべて含めて考えることがこの仕事の醍醐味であり、あるべき照明の姿なのだと思います。
日本庭園はいろんなものを削ぎ取って出来たものであり、僕らが設置するものは本来あってはならないものです。それらをいかに目立たせずに設置出来るかが、腕の見せどころ。これは個人邸の庭のライトアップ然りです。
皆さんもライトアップを見る際は、そんなところもぜひチェックしてみてください。
いろんなところのライトアップを見たことがありますが、あの京都のお寺や日本庭園でさえ配線などが雑に施工されています。
僕はその時点でゲンナリします。そういうライトアップを少しでもなくし、昼間でも美しいお寺や日本庭園を皆さんにお届けできればと考えています。
八重桜のライトアップ


八重桜がとてもきれいですね。
花の一つ一つにそれぞれの表情があり、それぞれの特徴をより引き立たせています。直接見ていると桜餅みたいで食べたくなりました(笑)
さいごに

今日は来春に向けての新緑ライトアップのモックアップをご紹介しました。
実施になるかどうかは今後の状況次第ともなりますが、ぜひ皆さんに新緑の美しさを感じて頂けたらなと思っています。
こうして色々と書いてきましたが、色んな見方がありますので僕のライトアップへ対する考え方が100%正しいわけではありません。あくまでこれまでの経験といろんなライトアップを見てきた僕の考え方です。
こういう見方もあるんだと知って頂けたら幸いです。
ぜひいろんな場所で行われているライトアップをいろんな角度から楽しんで頂けたらと思います。
「大田黒公園紅葉のライトアップ」←こちらをクリックして頂ければ以前書いた紅葉のライトアップ記事をご覧頂けます。
ぜひ合わせてご覧ください。
このブログでは、自分で経験してきたことを、「知る・学ぶ」をコンセプトに様々なことを皆さんにお届けできたらと考えています。
次回もお楽しみにm(__)m
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