モルタル造形について

モルタル造形とは
特殊なモルタルを使い、天然石・岩・木、人工的なレンガ積みの壁・擬木などを彫刻技術を用いて表現する技法のことです。
施工方法など
下記にモルタル造形の記事を纏めております。ぜひそちらもご覧ください。
様々な表現が出来るのが魅力のモルタル造形。職人さんによってそれぞれ表現方法が違います。それでは下記よりお客様宅の景観をご紹介していきます。
施工前について
まず初めに、こちらのお客様をご紹介して頂いたデザイナーさんをご紹介します。
株式会社office Hanyuda 代表:羽生田 新吾 さま デザイン施工実績は2000件以上。全国デザインコンテスト12年連続受賞で日本一の受賞実績を持つガーデンデザイナーさんです。 とても素敵なデザインをされる方ですので、ぜひデザインを頼みたい方は直接お問い合わせください。 下記にHPも掲載しておりますので、ぜひご覧ください。 https://office-hanyuda.co.jp/
今回お客様のご要望
- ヨーロッパの古びた壁をイメージしたものがほしい
- 規則正しい日本的なものではなく、ラフなイメージで造ってほしい
- エイジングも汚しを強めに入れてほしい
- 黄色味が強い色はあまり使わないでほしい
というご要望を頂き、今回施工させて頂きました。まずは施工前の写真をご紹介します。
アプローチ塀の施工前写真

施工前はコンクリート打ちっぱなしの状態でした。
房総の海が近くにあり、海の潮風も気持ちよい場所。家の裏手側に回ると、海が一望できます。この周辺は別荘が多く、週末はこちらで過ごされる方が多いとのことです。

ピンコロを貼っている個所がありますが、お客様のイメージとやや相違があったとのことで急遽お話を頂きました。壁の内側には、ご主人が一からご自分で造られた倉庫があり、とても素敵に造られていました。

ブロックが立ち上がっている個所も施工予定個所になります。アプローチ階段側の低い壁にも同じように施工することになっています。
まず造形工事を始める前に、このピンコロを除去するところからスタートしました。
下地施工について
ピンコロを除去したのち、モルタル造形のメイン作業前に行う、下地処理をしています。ここより下地施工風景をご紹介します。詳しい施工方法は上段別記事に書いていますのでそちらをご覧ください。
下地施工写真

コンクリート打ちっぱなしの状態から、下地処理(モルタル造形前)を行った段階写真です。ただコンクリートの上からモルタル造形するのではなく、剥がれたり・クラックが入りにくくするために、しっかりと下地処理をしています。これも後々の問題を防ぐために必要な作業です。

別記事に纏めておりますが、写真をよく見ると横方向に凸凹しているのが分かるかと思います。こちらはクシ引きをしています。モルタル造形用のモルタルがズレ落ちないようするための工程です。この作業もとても重要です。

階段側の下地処理写真。色が所々違う場所がありますが、これは乾きの様子です。乾いてない場所は、まだ色が濃く出ています。完全に乾いてから次の工程に進みます。乾かないうちに次の工程へ進むと、後々問題を起こす恐れがありますので注意が必要です。
これらの下地処理をしたのちに、モルタル造形作業・エイジング作業へと入ります。施工方法は、上段で貼り付けた別記事に詳しく纏めておりますのでそちらをご覧ください。
施工後について
完成!!
ここからは全ての工程が終了した完成写真をご紹介します。
アプローチ塀の施工後写真

全く雰囲気が違うものになりました。どうですか、これ?
お客様のご要望を取り入れながら造り上げました。ヨーロッパの長い年月を掛けた味のある仕上がりになったかと思います。

所々に配置した石は、均一ではなく、それぞれ形・表情を変えて造っています。またそれらが埋っていて、表層の漆喰が剥がれたイメージで造っています。僕がこれまで書いてきた海外のブログにあるような造りですね。モルタル造形の最大の魅力が、この当時のイメージを再現することだと思います。

階段側もしっかりと合わせて造っています。エイジングも一色でなく、何色か重ねて色付けしています。一回一回お客様に確認して頂きながら、お客様のイメージに近づけていきます。

旦那様が造られた倉庫と、とてもマッチしたものができました。実際お客様もとても喜んでおりました。

モルタル造形の特徴でもあるクラック。全体のイメージを崩さずに、所々に敢えてクラックを入れたりすると、また違った雰囲気になります。入れすぎには注意が必要ですが。。

太陽の光が差し込むと一層モルタル造形と倉庫が引き立ちます。色も自然でいい感じです。

モルタル造形は、専用のツールを使って削っていきますが、時には自分の指や手のひらなんかも使って削ったり、均したりします。こういう遊び心を出せるのもモルタル造形の特徴の一つです。
こうしてお客様のイメージに近づけていく、いかようにも出来るのがモルタル造形。
ぜひ皆さんのご自宅などにも取り入れてはいかがでしょうか。何かありましたら、ご連絡ください。
さいごに

いかがでしたでしょうか。
今日はモルタル造形で施工したお宅についてご紹介しました。
最後は、帰り際に房総の海でたそがれていた時に撮影した写真でお別れします。
このブログでは、自分で経験してきたことを、「知る・学ぶ」をコンセプトに様々なことを皆さんにお届けできたらと考えています。
これからもこのブログでたくさんのことをご紹介していきます。
ご一読頂きありがとうございましたm(__)m
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